大切なものは残る。残す。

 キャロです。
秋葉原駅からすぐにある海老原商店という歴史ある看板建築にて
開催中の長井朋子さんの個展「100年と10月の桜」。
(私は今回こちらのリーフレットのデザインをさせていただきました〜。)
看板建築って通りに面した壁面の面白さがメインかと思っていましたが、海老原商店さんの室内の誂えは本当に美しい。欄間や柱やガラスや、ひとつひとつ見ていくとキリがなく胸が高鳴ってしまうほど。

そんな良いものを残していくというあたりまえで、でも大変なことを続けておられる海老原さんと毎度ファンタジックな画面で魅了する長井さんの作品。

素晴らしい室内のいたるところに住んでいるような、繰り出されるようなかたちで配置されている作品たち。
私は海老原さんのおばあちゃん(またはそのまたおばあちゃん)のような、この家を守ってきた女性が
産まれてから歳を重ねていく様子を見たような気がしました。
それは暖かなものに包まれて幸せに満ちた生まれたての赤ちゃん、赤ちゃんが立つことを覚えた瞬間。モダンガールのような少女であったり、母になり家族を見守る月か太陽のようなものだったり。時代とともに変わる少女の姿と変わらない建物。移り変わる外の景色と変わらない少女の眼差し。
歴史を感じる、和の雰囲気、とかそういうことでは済まされない、建物が長井さんに何かを吹き込んだかのようなまさに生きている展示でした。
もののけというか、妖精というかコロポックルなのか、建物にいる気配が観ている間に躰に入り込んでくるような不思議な感覚にとらわれます。
大切な瞬間は心の中に残り続けますが、死んでしまった瞬間に消える肉体と同じく建物も取り壊されたときに失う何かがあるのだと思います。海老原商店さんが90年の時を刻んだかたちが建築として残っていること、そしてそこでの営みを思い起こさせる建物の魂のようなものが作品として生み出されたということ。なんて、アメイジング!!
作品の点数、またタブローの大きさなど、単純に規模で考えても美術館やギャラリーで開催される個展と同じかそれ以上の迫力があります。しかしそれ以上にホワイトキューブでは味わえない圧倒的な空間がここでは繰り広げられています。アートに興味がない方は個展っていかないと思うのですが、これは建築が好き、古いものが好き、東京が好き、神田が好き、秋葉原が好き。カレーが好き。などアートの興味がない方にもぜひおすすめしたいです。堅苦しくなく、ゆったりした気持ちで観られると思います。
店先では美味しいコーヒー屋さんと絶品のスコーンが販売されています。最高ですね。
マウンテン写真館では11月3日(土)、4日(日)にこの展示スペース内で撮影会をさせていただきます。
今回の撮影会は、中判のフィルムカメラを使用します。
フィルムが一般的な35mmフィルムよりも大きいんです。(と言ってももう35mmフィルム自体を知らない方も多いようですが、、)正方形のフォーマットは特別なものを写しとると思っています。
海老原商店が残しているものと同じく、やはり簡単ではなくしっかりと光を焼き付けて時間をかけて写す。ということに意味があると考えています。
サンプル写真はデジタルカメラで撮影したものです。展示前日に設営が終わりその際にテスト撮影をさせていただいたのですが、フィルムの現像には時間がかかるものでまだフィルムが上がらないのです。。
実際のプリントには、フィルムにしか写せないこの空間の魂も写り込んでいることを願っています。
このインスタレーションスペース、本当に何かいる!と思ってしまうほど濃い空間です。
きっと素敵な写真になると思います。
撮影会の宣伝もたくさんしたいですが、それ以上にまずこの展示、ぜひ足を運んでいただきたいです!
撮影会の詳細はこちらでご確認ください。
2018年10月19日[金]-11月18日[日]の、金・土・日のみオープン
海老原商店 千代田区神田須田町2-13-5
時間:13:00-20:00
入場料:無料
写真はオープニングトークの様子です。素敵さがビンビンです。
2018-10-24 | Posted in blogComments Closed 
Comment





Comment